アイデア発想法【ブレインストーミング】

ブレインストーミングとは

1983年頃、アメリカの広告代理店BBC社の副社長アレックス・F・オズボーンが考え出した発想法。

ブレーン(頭脳)をストーム(攻撃する)」という意味です。略して『ブレスト』と呼びます。

オズボーンの4原則(ブレストの4原則)

① 批判厳禁 : 批判された人はそれから発言しなくなる

② 自由奔放 : 自由な発想で、奇抜・斬新な意見を歓迎

③ 多数歓迎 : 量は質を生む

④ 便乗結合 : 尻馬に乗る、ほかの意見とくっつける

ブレインストーミングのやり方

準備段階

テーマ設定

問題や課題を明確にする。

例:「子育て中の親が楽しめるスイーツを開発するには?」

参加者の選定

4~8人程度が適切。

異なるバックグラウンドの人を混ぜると多様な視点が生まれる。

場所とツールの用意

リラックスできる場所。

ホワイトボード、付箋、オンラインツール(例:Miro、Jamboard)など。

実施段階

ルール共有

アイデアの批判をしない。

自由な発想を奨励する。

量を重視する(質より量)。

他人のアイデアを発展させる。

アイデア出し

全員が自由にアイデアを出す。

ファシリテーターが進行役を務め、場を盛り上げる。

5~15分間、集中して出す。

記録

全てのアイデアを視覚化する(付箋やホワイトボードに書く)。

振り返り段階

分類

アイデアを似たテーマごとにグループ化。

選定

投票やディスカッションで実現可能性の高いアイデアを選ぶ。

発展

選ばれたアイデアを具体化する。

ブレインストーミングの注意点

成功させるためのポイント

批判を絶対にしない

否定的な意見が出ると、発言が萎縮してしまう。

リラックスした雰囲気を作る

堅苦しさを避け、参加者が自由に発言できる環境を整える。

沈黙を恐れない

静かな時間も大切。思考を深めるチャンス。

時間を区切る

長時間行うと集中力が途切れる。適度な休憩を挟む。

意見の偏りを防ぐ

声の大きい人ばかり発言しないよう、全員に発言の機会を与える。

よくある失敗例

参加者が積極的でない。

ルールが守られない(批判や議論が始まる)。

アイデアが記録されない、または散らばる。

「現実的すぎる」アイデアばかりを求めてしまう。

具体的な事例

事例1: 新しい商品アイデアを考える

テーマ: 「夏に売れる新しい飲み物のアイデア」

実施内容:

1. 全員がアイデアを30個出すことを目標に。

2. 例:「透明なコーヒー」「紫外線で色が変わるドリンク」「昆布エキス入りエナジードリンク」など。

3. アイデアを「面白い」「実現可能」「トレンド性」で分類し、発展させる。

事例2: 職場の業務効率化

テーマ: 「会議時間を半分にするには?」

実施内容:

1. 各メンバーが時間短縮のための方法を出す。

2. 例:「議題を事前共有」「タイマーを使用」「発言時間を一人3分に制限」。

3. 実行可能なアイデアを試験的に導入。

事例3: 地域イベントのアイデア

テーマ: 「地域住民が集まりやすいイベントを考える」

実施内容:

1. ファシリテーターが「季節」「対象年齢」などキーワードを与え、広げていく。

2. 例:「焚火カフェ」「街中宝探し」「地元食材でピクニック」など。

3. 地域の特性を活かしたアイデアを具体化。

まとめ

ルールを守ることが成功の鍵。

アイデアは質より量を重視して出す。

必要に応じて、ブレインストーミングの後にアイデアを深掘りするフェーズを設ける。

「ブレインストーミング」は単なるアイデア出しではなく、チーム全体の創造力を引き出し、活性化させる場です。繰り返し実践することで、効果が高まります。