「ディヘイの法則」は、生産性・タイムマネジメントの経験則として知られ、「簡単な仕事ほど『いつでもできる』と考えて先送りされがち」という傾向を示します。
この記事では定義から背景、実践手順、注意点までコンパクトに解説します。
ディヘイの法則とは
ディヘイの法則(Dehay’s Law):
簡単な仕事は“いつでもできる”と思って後回しにしやすく、積み残しの山を作りやすいという経験則。
- 例:2〜3分で済む書類訂正や領収書のアップロード、軽い返信メールなどが日々たまる
- 結果:期末や締切直前に「小タスクの雪だるま化」が起こる
背景・関連する心理と法則
- 現状維持バイアス:現状を変えないほうが楽だと感じる
- 先延ばし(プロクラスティネーション):短期的な不快(手を動かす労力)を回避
- パーキンソンの法則:仕事は与えられた時間を埋めるまで膨張する
また「選択肢が多いほど意思決定が難しくなる」現象(パラドックス・オブ・チョイス/ヒックの法則)も、タスク着手前の迷いを増やし、着手遅延に拍車をかけることがあります(関連記事の図解を後述)。
活用シーン(ビジネス&日常)
1) 仕事の細かい後処理(軽微タスク)
- 経費精算のレシート貼付・写真アップ
- “了解です” レベルの超短文返信
- 会議後の次回日時の仮押さえ など
2) 家事・私生活
- 郵便物の開封と仕分け、月額サブスクの解約
- 保証書や取説のスキャン、パスワードの整理
実践ステップ(今日から使えるミニ習慣)
- 「2分ルール」:2分以内で終わるなら即やる(ToDoに書かない)
- バッチ処理:所要2〜5分の軽微タスクを15分の塊で一気に片づける(午前と午後で各1回)
- タイムボクシング:メール・チャットは1日2〜3枠に時間箱詰め
- “未完了の可視化”:デスクトップや受信箱に「未処理」フォルダを作って毎日0に戻す
- 意思決定の簡略化:軽微タスクは判断基準(基準文・テンプレ)を用意して迷いを消す
注意点・よくある誤解
- 学術的厳密さ:ディヘイの法則は主に実務ブログ等で使われる経験則で、学術的な定式化や一次文献は確認が難しい用語です。
- 混同に注意:「選択肢が多いと選びにくい」現象(パラドックス・オブ・チョイス/ヒックの法則)とは別概念。ただし実務上は相乗的に先延ばしを招くことがあります。
- “全部すぐやる”は非現実的:重要な長時間タスクは分割→スケジュール化。軽微タスクに飲み込まれないバランスが大切。
まとめ
- ディヘイの法則:簡単タスクほど“いつでもできる”と後回しになりがち
- 2分ルール・バッチ処理・タイムボクシング・可視化で雪だるま化を防止
- 関連現象(選択肢過多)も着手遅延を増幅。迷いを減らす仕組み化がカギ