はじめに|社員が“教える側”になる価値
近年、多くの企業で「社員が講師となる社内勉強会」が注目されています。専門性の高い外部講師を招くのではなく、現場で活躍する社員自らが登壇することで、実務に直結した知識や会社独自のノウハウを共有できるのが大きな魅力です。
しかし、うまく運営しないと「負担が大きい」「自己満足で終わる」といった課題も。
この記事では、社員講師型の社内勉強会を成功させるためのステップと、実際に成果を上げた企業事例をご紹介します。
社員が講師を務める社内勉強会のメリット
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現場のノウハウをリアルに学べる
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社員の自信・モチベーション向上につながる
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講師側のアウトプットが深い学びになる
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会社独自の“学びの文化”が醸成される
ある意味で「社内に隠れたプロフェッショナルを発掘する機会」にもなります。
勉強会の立ち上げステップ
STEP①:目的とテーマを明確にする
例)「若手社員向けの営業スキル伝達」「プロジェクト管理の成功事例共有」など
STEP②:講師を社内公募または推薦で決定
「この人の知識・経験を聞きたい!」という声を拾うと説得力が出ます。
STEP③:運営サポート体制を整える
講師が準備に専念できるように、以下のような支援が有効です:
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勉強会用のパワーポイントテンプレート
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練習・リハーサルの場
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当日の司会進行役(ファシリテーター)
STEP④:実施日時と参加者を調整
部署をまたいで参加できるよう、時間や場所(オンラインも含む)に配慮しましょう。
成功のポイント5つ
ポイント | 内容 |
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① テーマを“自分の言葉”で伝える | 専門用語より、現場の言葉で共感を得る |
② 成功談だけでなく“失敗談”も伝える | 聴く側にリアリティが伝わる |
③ 30〜45分でコンパクトに | ダレずに集中できる時間を意識 |
④ ワークや質疑を取り入れる | 双方向の学びが深まる |
⑤ 振り返りで継続性を持たせる | 次回の改善点や要望をヒアリング |
実例紹介|成功した企業の取り組み
▶ 事例①:IT企業A社「ナレッジ共有ウィーク」
エンジニア社員が講師となり、1週間毎日1講座を開催。
新人向けに「バグの原因あるある」「Gitトラブル対応」など、現場でしか学べないテーマが好評。
Slackでの質問受付や録画配信も行い、継続学習につながった。
▶ 事例②:流通業B社「現場から学ぶ!店舗運営ゼミ」
ベテラン店舗スタッフが月1回講師となり、成功事例やクレーム対応を共有。
あえて“教えるプロ”ではなく“現場の達人”を登壇させたことで、「すぐ使える内容」として若手に高評価。
継続のカギは「称賛と仕組み化」
社員講師にとって、最大のご褒美は「ありがとう」の声です。
開催後はアンケート結果をフィードバックしたり、社内イントラや掲示板で講師を称える文化を作りましょう。
さらに、定期開催スケジュールやナレッジアーカイブ(動画・資料)などを仕組み化することで、社内の学びを持続可能にできます。
まとめ|“教える人”が育つ会社は強い
社員が講師を務める社内勉強会は、学ぶだけでなく「教えることでさらに育つ」という仕組みです。
一人の経験が、全社の財産に変わるこの取り組み。
最初は小さな会でも構いません。少しずつでも、社内に“教え合い”の文化を根付かせていきましょう。