新入社員の訓練担当を任命されて、きちんと教えているつもりなのにミスを繰り返す新入社員にイライラしっぱなしの方や逆に教えることに自信を無くされている方もいるかもしれません。
ここでは失敗を繰り返す新入社員に対する効果的なOJTの進め方を以下のステップに分けて説明します。
失敗の背景を把握する(観察とヒアリング)
失敗の原因・背景を特定し、適切な対応策を見つけることが目的です。
原因によっては、本人以外の要因によるミスかもしれません。きちんと原因・背景を確認する必要があります。
方法
直接ヒアリング
「なぜそのやり方を選んだのか?」を本人から聞く。
感情的にならず、冷静に状況を確認する。
「失敗した原因は何だと思う?」と自己分析を促す。
観察する
:業務遂行中の行動や手順を注意深く観察する。
作業スピードや注意力不足、知識の不足などを確認。
具体例
「ミスが発生した場面を一緒に振り返りましょう。どの部分が難しかったですか?」
明確な指示と適切な期待値を設定する
新入社員が自分の役割と具体的な目標を明確に理解できるようにすることが目的です。
作業の指示だけで何のための作業なのかを把握していないと間違っても気づかない場合が多くなります。
方法
仕事・タスクの目的・意義を伝える
何のための仕事なのか、会社全体の中の位置づけが明確だと理解が早くなります。
仕事・タスクだけを言われてもなかなか理解できません。
タスクを分解する
大きな仕事を細かいステップに分けて説明。
ステップごとに進捗を確認し、安心感を与える。
期待値を調整する
初めてのタスクには、成功よりも「経験を積む」ことを重視。
簡単なタスクから少しずつ挑戦させる。
具体例
「この作業を5つのステップに分けました。最初のステップを一緒にやってみましょう。」
モデルとなる実演を見せる
正しい手順やポイントを視覚的に伝える。言葉だけでは伝わりにくいことも視覚的に伝えることで伝わりやすくなります。
方法
上司や先輩が模範的な作業を実演。
実演中にポイントや注意点を説明。
新入社員に実際にやらせる。
新入社員に同じタスクをやらせ、フィードバックを与える。
具体例
「まずは私がこの業務をやってみせます。その後であなたにもやってもらうので、気になる点を質問してください。」
フィードバックを効果的に行う
成長を促すための改善点とポジティブなポイントを伝える。できていることは褒める。
方法
ポジティブな点を先に伝える
「ここはよくできていた」と具体的に褒める。
改善点を伝える際は建設的に
「次はこうしてみるとさらに良くなる」とアドバイス。
ミスを責めるのではなく、改善のためのサポートを約束する。
具体例
「今回の説明の仕方はとてもわかりやすかったです。ただ、資料の順番を整理すると、もっとスムーズになりますよ。」
成功体験を積ませる
自信をつけさせ、モチベーションを高めることが目的です。
方法
小さな成功を積み重ねる
簡単なタスクを任せ、成功体験を与える。
博報堂に新入社員教育では、最初から権限を与えることによって自ら考え行動できる人を育てているそうです。
段階的に難易度を上げる
基本ができたら少しずつ新しいチャレンジを加える。
成果を共有し、達成感を感じさせる。
具体例
「この部分はあなたが完全に仕上げたね!次は少し難しいけど、この部分を一緒にやってみよう。」
振り返りの場を定期的に設ける
継続的な改善とモチベーション維持のために実施します。
方法
週1回の振り返りミーティング
達成したこと、改善が必要な点を確認。
忙しくても時間が短くてもいいので必ず定期的に実施します。
内容は、本人に「自分で改善できた点」について発表させるのが良いです。
中長期的な成長目標の共有
現在の課題と今後の目標を一緒に設定。
具体例
「先週の課題を振り返ると、この部分がとても良くなっています。次はこれをもっと伸ばしてみましょう。」
まとめ
失敗を繰り返す新入社員へのOJTでは、「原因分析」「段階的な成功体験」「適切なフィードバック」の3点が重要です。特に、本人にとって「やればできる」という実感を持たせることで、成長意欲と自信を高めることが鍵になります。
また、絶対にしてはいけないのはミスを叱ることです。
新入社員に限ったことではないですがウォルマートの創業者サム・ウォルトンの言葉『成功は祝福せよ。失敗の中にはユーモアを見いだせ』が、教育やリーダーシップの極意といえます。