
はじめに「できない」より「できた」に目を向けよう
人材育成において、あなたの会社は“減点主義”に陥っていませんか?
たとえば評価面談で「ここがまだできていない」「ミスが多い」といった指摘ばかりが目立つと、社員はやる気を失い、成長機会を逃してしまいます。
そこで注目されているのが【加点主義】の人材育成。これは「できたこと」「成長した点」「努力した姿勢」に注目し、ポジティブなフィードバックで人を伸ばすアプローチです。
加点主義とは?|評価ではなく“育成”の視点を持つ
加点主義とは、ミスや欠点を責めるのではなく、できたことを認めて“加点”していく考え方です。単なる甘やかしではなく、以下のような特徴を持ちます。
✅ 加点主義の特徴
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小さな成長を見逃さず評価する
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プロセス(努力や工夫)も加点対象とする
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苦手よりも得意を伸ばす
加点主義は、「人は指摘よりも承認で伸びる」という心理的前提に基づいています。特にZ世代やミレニアル世代の若手には、相性が良いアプローチです。
なぜ今、加点主義が求められるのか?
✔ 離職防止につながる
若手の早期離職の大きな理由は「認められていない」「評価されていない」という不満。加点主義は日常的な承認で自己効力感を育て、定着率の向上に貢献します。
✔ 主体性を引き出せる
できたことを認められると「もっとできるようになりたい」と自発的に学ぶ姿勢が生まれます。これは“教え込む”育成ではなく“引き出す”育成です。
✔ 心理的安全性のある組織文化へ
ミスを恐れて挑戦できない職場では、イノベーションは生まれません。加点主義は「チャレンジしてOK」という空気をつくります。
加点主義を実践するための3つのステップ
ステップ1:1on1で「できたこと」を確認する場をつくる
面談では「何ができなかったか」ではなく、「何ができるようになったか」にフォーカス。部下の成長に気づく機会になります。
ステップ2:成果だけでなく“プロセス”にも加点する
たとえば「先輩に相談した」「自分なりに工夫した」といったプロセスも評価。結果主義に偏りすぎないことが大切です。
ステップ3:周囲も巻き込んで“承認文化”をつくる
上司だけでなく、同僚同士で「いいね」と言い合える風土を育てると、チーム全体が前向きになります。
成功事例:ある企業の“加点主義改革”
あるベンチャー企業では、社内に「Good Jobボード」を設置し、社員が他の社員を褒める文化を醸成しました。
その結果、
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離職率が前年比で30%減少
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1on1面談の満足度が上昇
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若手社員の自主提案が増加
など、目に見える成果が出始めたのです。
おわりに|加点主義は“人を育てる勇気”である
加点主義は、「人は伸びる」という前提に立つ勇気のある育成方法です。
減点主義で「なぜできない?」と問い詰めるより、
加点主義で「よくなったね!」と認めるほうが、
人は伸び、チームは活性化し、会社は強くなります。
あなたの職場でも、今日から“加点”を始めてみませんか?