QC7つ道具とは?
QC7つ道具(Quality Control Seven Tools)は、品質管理や問題解決に使われる基本的な手法です。これらは製造業をはじめ、さまざまな業界で活用されています。初心者でも簡単に使えるシンプルな道具ですが、データを視覚化し、問題の原因を特定するのに非常に有効です。
この記事では、QC7つ道具の概要と、それぞれの使い方を具体例とともに紹介します。
【パレート図】
概要・目的
問題の原因や成果を大きい順に並べ、どの要因に注力すべきかを視覚化する図です。「重要な少数」と「ささいな多数」の法則(80:20の法則)に基づいています。
目的は問題の原因や成果の重要度を視覚化することです。
パレート図の作成手順
データを集める
問題や成果のカテゴリ(例:不良原因)と、その件数や頻度を記録します。
例:不良原因A(50件)、B(30件)、C(20件)など。
データを降順に並べる
件数が多い順に並べます。
例:A(50件)、B(30件)、C(20件)。
累積比率を計算する
全体の件数に対する割合を計算し、累積比率を出します。
例:A=50%、B=80%、C=100%。
グラフを描く
横軸にカテゴリ、左の縦軸に件数、右の縦軸に累積比率を設定します。
棒グラフで件数、折れ線グラフで累積比率を描きます。
具体例
製品の不良調査をして結果不良の80%が「部品Aの不具合」と「行程Bのミス」に集中していることが判明しました。この情報をもとにこの2つの対策を優先的に実施することにしました。
【ヒストグラム】
概要・目的
データのばらつきや分布を棒グラフで表したものです。品質や工程の安定性を確認するのに役立ちます。
データのばらつきや分布を確認することが目的です。
ヒストグラムの作成手順
データを集める
数値データ(例:製品の寸法や重量)を用意します。
範囲を設定する
データの最大値と最小値を確認し、範囲(区間幅)を決めます。
例:50~60、60~70、70~80のように設定。
データを分類する
各区間に入るデータの数を数えます。
例:50~60(5件)、60~70(10件)など。
棒グラフを描く
横軸に区間、縦軸に件数をとり、棒グラフを作成します。
具体例
製品の重量を測定した結果、目標比±5gの範囲にほとんどの製品が収まっていることが分かりました。ヒストグラムを使って、異常値がないことを確認します。
【管理図】
概要・目的
時間の経過に伴うデータの変動を監視するグラフで、異常値や傾向を検出します。上限値や下限値(管理限界)を設定することで、工程の異常を早期に発見できます。
工程の安定性を監視するために使用します。
管理図の作成手順
データを収集する
時系列データ(例:1時間ごとの製品寸法)を記録します。
管理限界線を設定する
平均値を計算します。
上限値と下限値(±3σ)を計算します。
グラフを描く
横軸に時間、縦軸にデータ値をとります。
管理限界線(上限・下限)と平均値を引き、データをプロットします。
具体例
製品の寸法を毎時間測定し、管理図にプロットします。ある時間帯で上限を超える値が記録され、原因が「機械の調整ミス」であることが判明しました。
【特性要因図(フィッシュボーンダイアグラム)】
概要・目的
問題の原因を「人」「機械」「方法」「材料」などに分類し、体系的に洗い出すための図です。原因と結果の関係を視覚的に整理します。形が魚の骨に似ていることからフィッシュボーンと呼ばれています。問題の原因を体系的に整理する目的で使用します。
特性要因図の作成手順
問題を明確にする
解決したい課題を決めます(例:不良品が多い)。
主要要因を決める
「人」「機械」「方法」「材料」などのカテゴリを設定します。
原因を洗い出す
各カテゴリについて、具体的な原因をブレインストーミングします。
図を描く
横軸に問題、斜めの枝にカテゴリ、さらに具体的な原因を記入します。
具体例
不良品が多発した際に特性要因図を作成。原因を「作業者の教育不足」「機械の老朽化」「材料の品質低下」などに分類し、優先的に教育プログラムを強化しました。
【層別】
概要・目的
データを特定の条件(例えば、時間帯、場所、作業者など)で分類し、原因を絞り込む手法です。
データを分類し、原因を特定する目的で使用します。
層別の作成手順
データを集める
クレームや不良情報などを収集します。
分類条件を決める
時間帯、地域、担当者など、分類基準を選びます。
データを分類する
各条件ごとにデータを整理します。
例:地域ごとのクレーム数。
結果を確認する
分類結果を表やグラフにして、傾向を確認します。
具体例
クレーム件数を「地域別」「製品別」に層別した結果、特定の地域で特定の商品に集中していることが判明しました。この情報をもとに、該当商品の出荷前検査を強化しました。
【散布図】
概要・目的
2つの変数の関係性を点でプロットするグラフです。相関関係があるかどうかを視覚的に確認できます。
2つの変数の関係性を確認するために使用します。
散布図の作成手順
関連する2つのデータを集める
例:生産速度と不良率。
データを整理する
X軸に独立変数、Y軸に従属変数を設定します。
データをプロットする
データ点を1つずつグラフに記入します。
相関関係を確認する
点が直線的に並ぶ場合は相関関係があると判断します。
具体例
生産速度と不良率を散布図にプロットした結果、生産速度が速くなるほど不良率が上昇する傾向が見られました。この結果をもとに、生産速度を適正範囲に調整しました。
【チェックシート】
概要・目的
データを簡単に収集・集計できる表形式のツールです。作業のミスや問題の発生状況を把握するのに便利です。
データを簡単に収集・集計する目的で使用します。
チェックシートの作成手順
記録する項目を決める
記録する内容を明確にします(例:不良原因の種類と件数)。
フォーマットを作る
表形式で項目を並べ、記録欄を設けます。
例:不良原因ごとにチェック欄を作成。
データを記録する
発生した問題をタイムリーに記録します。
データを集計する
記録をもとに、頻度や傾向を確認します。
具体例
製造ラインで1週間の間に発生した不良の種類と回数をチェックシートに記録。結果を分析することで、最も多い不良原因が「部品の接着不良」であることが判明しました。
QC7つ道具を活用するメリット
・問題を体系的に整理できる
・データを視覚化することで、意思決定が容易になる
・現場の改善活動に役立つ
QC7つ道具は、単体で使用するだけでなく、組み合わせることでさらに効果を発揮します。これらを活用し、品質向上や業務改善を進めていきましょう!