『フェルミ推定』で世界を知る、日常の謎を解く思考法

 

フェルミ推定とは何か

フェルミ推定とは、限られた情報から合理的な仮説を立てて大まかな答えを導き出す思考法です。

この手法の名前は、イタリアの物理学者エンリコ・フェルミに由来します。彼は、第二次世界大戦中に原子爆弾の威力を計算する際、この手法を活用しました。

現代では、フェルミ推定はビジネスの場で多く活用されています。特に、コンサルティングファームやIT企業の面接でよく出題されるため、その実用性と注目度が高まっています。

フェルミ推定のメリット

論理的思考力の向上

フェルミ推定では、問題を分解して考えるため、複雑な課題に取り組む能力が磨かれます。

仮説を立てる力の強化

データが不完全な状況でも、現実的な仮説を立てる練習になります。

日常生活での応用

「この商品がどれくらい売れているのだろう?」「この街には何人住んでいるのだろう?」といった身近な疑問を解く手助けになります。

フェルミ推定のステップ

問題を理解する

解決したい問題を明確に定義します。

仮説を立てる

問題をシンプルなパーツに分解し、それぞれについて現実的な仮説を立てます。

計算する

各仮説を組み合わせて最終的な答えを導きます。

結果を検証する

計算結果が現実的かどうかをチェックし、必要なら調整します。

実践問題集

初心者向け:

問題: 「日本全体で1年間に消費されるピザの枚数を推定してください。」

解法:

1. 日本の人口を1億2,000万人と仮定。

2. 1人が1か月に1回ピザを食べるとすると、1年間で12回。

3. 消費枚数は1億2,000万 × 12 = 14億4,000万枚。

中級者向け:

問題: 「東京都内のカフェで1日に消費されるコーヒーカップの数を推定してください。」

解法:

1. 東京都内に1万件のカフェがあると仮定。

2. 1店舗あたりの1日の平均客数を50人とする。

3. 各客が1杯のコーヒーを飲むとすると、1万 × 50 = 50万杯。

上級者向け:

問題: 「世界中で1年間に製造される鉛筆の本数を推定してください。」

解法:

1. 世界人口を80億人と仮定。

2. 1人が年間5本の鉛筆を使用するとする。

3. 製造本数は80億 × 5 = 400億本。

フェルミ推定を使うときの注意点

  • 過剰な仮説依存のリスク

仮説が現実とかけ離れていると、結果も大きくずれてしまいます。現実的な仮定を心がけましょう。

  • 精度よりも思考過程が大事

フェルミ推定は「正解を当てる」ことではなく、「どう考えたか」を重視します。論理的で説得力のある思考が評価されます。

おわりに

フェルミ推定は、仕事だけでなく日常生活にも役立つ思考法です。このブログでは、引き続き面白い問題や解法のコツを紹介していきます。

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